イザという時に知っておけば役立つ、ありがちトラブル対処法
時計はどんなに注意深く使っていても、ある程度のトラブルは避けられないもの。
万が一トラブルが起きた際、どんな点に注意してどう対処すれば良いのかをパーツ別に徹底解説
機械(メカニズム)に起こる、ありがちトラブル
使用説明書を熟読して正しい使用法を守ろう
時計の機械関係で、最も多いトラブルが下の2つ。特に磁器及びトラブルは最近、急上昇中なので、携帯電話やパソコン、携帯オーディオなどの操作時には、時計を15cm以内に近づけないよう注意して下さい。
メカニズム
①日付がズレたり、動かなくなった
原因と対策
カレンダーの早送り調整をしてはいけない時間帯にこれを行ったため、日付盤の歯車か、盤を送るためのツメが損傷しているのが原因。
早期に修理すれば日付け盤やツメ部分の交換だけで済むが、他の部分にも影響が及んでいる場合は、関連部分を点検するオーバーホールが必要になります。
対処費用のめやす 1万円~
②買ったばかりなのに、精度が急に悪化
原因と対策
特に時計を落としたり、水などが侵入していなければ、パソコンや携帯などの近くで時計を使用したため、部品が磁器を帯びた可能性が高い。
修理は比較的簡単で、磁器抜き器という専用機器に1日程度時計をかけておくだけ。費用はメーカーやショップで異なるが、数千円程度で済むはずです。
対処費用のめやす 3,000円~
リューズ回りに起こる、ありがちトラブル
使用頻度が高いリューズにはトラブルの危険が一杯
リューズに起こる故障で最も多いのが、以下に挙げた4つのトラブル。
リューズは使用頻度が高い割に、その構造は繊細で傷みやすい部分。正しい操作方法をいつも厳守するよう、習慣づけて下さい。
リューズ
①ネジ込み式のリューズが根本まで入らない
原因と対策
単にゴミが詰まっている場合もあるので、まずは歯ブラシか爪楊枝で清掃をしてみて下さい。それでもダメな時は、リューズパイプのネジ山が摩耗しているか、リューズバネが損傷している可能性が。
リューズが根本まで締まらないと、そこから水が入ってしまうので、一刻も早くショップへお持ち下さい。
対処費用のめやす 8,000円~
②ゼンマイを巻く時、リューズが異常に重い
原因と対策
リューズ内部のオイル不足か、機械内部にサビが発生しているのが原因。前者の場合ならシリコングリスを差し直すだけなので修理は容易だが、後者の場合はオーバーホールが必要に。
いずれの場合も、この状態で時計を無理に動かすと他の部分まで傷めてしまうので、そのままの状態で修理へ。
対処費用のめやす 1万円~
③引き出した時になんとなくグラグラする
原因と対策
リューズをムーブメントに固定するためのネジか、リューズの根本部分(芯)が摩耗して細くなっているのが原因。そのまま使い続けていると、リューズがスポッと抜け落ちてしまうことも多いので注意。
リューズ本体やネジの部品交換だけなら、修理も比較的容易に済むことが多いです。
対処費用のめやす 4,000円~
④リューズを回しても空回りしてしまう
原因と対策
リューズの根本部分で、他のギアと噛み合う歯車部分が摩耗か損傷している。
摩耗の場合はリューズを交換すればOKだが、損傷している場合は、少しやっかい。歯車の破片が機械内部に侵入して他の部品を傷つけている危険性があるため、それらをオーバーホールして点検する必要があります。
対処費用のめやす 4,000円前後
ケースやベゼルに起こる、ありがちトラブル
サビの有無はこまめにチェックして早期に発見
ケースやベゼルに起こるトラブルで、最も多いのがサビの発生。
特に裏ブタやベゼル周辺のサビは、放置すると内部に侵入する恐れもあるので要注意。毎日こまめにチェックして、早期発見を心掛けて下さい。
ベゼル
①回転ベゼルがスムースに回せなくなった
原因と対策
ベゼルの隙間にゴミが入っているか、ベゼルバネの損傷やサビつきが原因。力任せに動かすとベゼルを傷めてしまうので、まず歯ブラシなどで隙間を清掃。それでも円滑に動かないなら、諦めてショップへ相談を。
市販の潤滑スプレー類は、内部に悪影響を及ぼすこともあるので、使用しない方が無難です。
対処費用のめやす 8,000円~
②ケースや文字盤に、よく見るとサビが発生
<">原因と対策
皮膚汚れや、汗などの水分をそのまま放置したのが原因。
薄いサビなら、研磨剤入りクロスなどで磨けば自分でも簡単に落とせるが、深いサビの場合はショップでケース研磨が必要。
サビは一旦発生すると根が残って再び発生しやすいので、面倒でもデイリーケアは必ず行うようにしましょう。
対処費用のめやす 2万円前後